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LTspice24 Tips 5 ライブラリ管理方法

LTspice24 Tips 5 ライブラリ管理方法

Tspice24では、個別部品ライブラリ更新時に、旧ライブラリ・ファイルに新しいライブラリ・ファイルを上書きすることで、更新速度を速くしています。
それに伴い、ユーザーがトランジスタ等のモデルを追加する方法が、変更になっています。

▼トランジスタ・モデル等の追加方法

以前のLTspiceでは、個別部品モデルを追加する方法として、特定のフォルダの中の、下記のようなライブラリ・ファイルを編集する方法がありました。
Documents\LTspiceXVII\lib\cmp\standard.bjt”
“%LOCALAPPDATA%\LTspice\lib\cmp\standard.bjt”
LTspice24では、これらのファイルの内容を変更することは非推奨となっています。
そのかわりに、“Documents\LTspice”フォルダの中に、“user.*”というファイルを作り、そのファイルにモデル情報を書き込むことで、個別部品モデルを追加することができるようになっています。
バイポーラ・トランジスタは“user.bjt”MOSトランジスタは“”user.mos”というファイル名のファイルを作ることになります。他にも、 (user.jft,user.dio,user.res,user.cap,user.ind,user.bead)といったファイルが使用できます。

2SC2712というトランジスタのモデルを追加してみる

ここでは、一例として、東芝の2SC2712というトランジスタのモデルを追加してみます。このトランジスタは、有名な2SC1815とほぼ同じ特性といわれているものです。
まず、東芝のwebサイトの2SC2712のページから、PSpiceモデルをダウンロードします。
ダウンロードしたzipファイルから2SC2712.libを解凍し、メモ帳で開きます。
次に、“Documents\LTspice”フォルダの中に、新規テキストファイルを作成し、ファイル名を“user.bjt”に変更してメモ帳で開きます。
そして、図Aのように、2SC2712.libの中の、“.MODEL”から、“.ENDS”前の行までを選択し、クリップボードにコピーします。
次に、メモ帳で開いた、“user.bjt”にペーストし、保存します。これで、2SC2712のモデルが使用できるようになります。

2SC2712.libをメモ帳で開き、“.MODEL”から、“.ENDS”の前の行までをコピーする

追加したモデルを使用する方法は、内蔵ライブラリを使用する時と同じです。
下図のように、トランジスタ・シンボルを右クリックし、[Pick New Transistor]をクリックします。
そして、表示されたモデル選択画面の、一番最後尾の、“2SC2712_BJT”というモデルを選択してOKボタンを押します。

トランジスタ・シンボルを右クリックして、追加したモデルを使用する

*この記事は、CQ出版社のLTspiceメールマガジンの記事「絶対温度に比例した電流を出力する2端子温度センサ」からの抜粋です。

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