アナログ回路設計コンサルタント 株式会社e-skett

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回路設計入門

初心者や機械系エンジニア、デジタルエンジニアのための回路設計入門講座です。
アナログデバイセズ社が無料で公開しているLTspiceを使用して、シミュレーションしながら基本的なことを学習していきます。

回路入門

LTspice24 Tips 1 主な改善点

2023年11月にLTspiceがバージョンアップして、 LTspice24になりました。ユーザ・インタフェースが改善され、シミュレーション速度も向上しています。

LTspice24の起動画面

■主な改善内容

  • ユーザ・インタフェースの改善
    • ツール・バーのアイコンと回路図編集画面マウス・カーソルの変更
    • 起動画面の背景画像の変更
    • デフォルト・キーボードショートカットの変更
  • 周波数応答解析の強化
    • 新しい4端子プローブ
    • 位相マージンのプロット
  • 波形ビューアの改良
    • 右クリックによるプロット・ペインの再配置 (上下に移動、上下に追加)
    • カーソルの追加/消去のためのメニュー項目
    • 等 多数

■シミュレーション速度改善例

使用するPCの構成やシミュレーションする回路によって、シミュレーション速度の改善量は変化しますが、LTC3625を使用した回路(本文図7)でシミュレーション時間を比較してみました。
下図がシミュレーション・ログに表示された実行時間です。LTspiceXVIIでのシミュレーション時間が41.5秒だったのに対し、LTspice24では33.8秒と20%程度速くなっています。回路の種類によっては、シミュレーション時間が半減することもあるようです。


シミュレーション・ログに表示された実行時間

■ツール・バー・アイコンの新旧比較

下図がLTspiceXVIIとLTspice24の、ツール・バー・アイコン対応図です。それぞれ同じ機能のアイコンを矢印で結んでいます。LTspice24では3つの新機能(シミュレーション設定、画面縦分割、電圧源)のアイコンが追加されています。

LTspiceXVIIとLTspice24の、ツール・バー・アイコン対応図

*この記事は、CQ出版社のLTspiceメールマガジンの記事「直列接続の電気二重層コンデンサをばらつきなく充電する」からの抜粋です。

電子回路の学習に役立つリンク集

電子回路の学習に役立つリンク集です。

CQ出版社からクイズ形式で電子回路の動作が学べ、LTspiceのサンプルファイルもダウンロードできる、メールマガジンが発行されています。
2014年の9月から始まり、毎年テーマを変えて現在10期目となっています。
過去のメールマガジンのアーカイブが下記URLにまとめられていますので、是非参考にしてください。

LTspice メール・マガジン・アーカイブs

 

(7)パスコン(バイパスコンデンサ)

アナログ回路になじみの無い、デジタル系の人たちも”パスコン”という言葉を聞いたことはあると思います。
今回は、そのパスコンの役割や動作を解説したいと思います。

電子回路の載ったプリント基板を見ると、大抵電源ラインとGNDの間にコンデンサがついています。
これは電源ラインの電圧変動を小さくして、誤動作や信号へのノイズ混入などを防ぐためです。
電源が理想電源であれば、どんなに負荷電流が流れても電源電圧は変動しませんが、実際の電源やプリント基板には抵抗や、インダクタ成分があるため、電圧変動が発生してしまいます。
今回もLTspiceでシミュレーションして確認してみます。
新しい回路図(schematic)を用意し、symbol2をクリックしてcurrentを選択し、下図のように配線します。
passcon
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(6)インダクタ(コイル)

今回はインダクタ(コイル)について説明します。
抵抗やコンデンサにくらべ、素子としては使われる機会の少ない素子ですが、その性質を理解しておくのは非常に重要です。

(5) コンデンサと時定数 では 電圧、電流、抵抗、コンデンサについて次のように書きました。

  • 電圧:電気の圧力、電流を流そうとする力で、よく水道の水圧にたとえられます。単位はV(ボルト)
  • 電流:電気の流れる量、水の流れをイメージするとわかりやすいかもしれません。単位はA(アンペア)
  • 抵抗:文字通り、電流の流れを妨げようと抵抗するものです。水道にたとえると、太いパイプは水が流れやすく細いパイプは水が流れにくい、ということです。単位はΩ(オーム)
  • コンデンサ:電気(電荷)を蓄えることのできる素子です。直流電圧を加えても電流は流れませんが、交流電圧を加えた場合は、電流が流れます。この電気を蓄える能力の単位はF(ファラッド)です。

コンデンサに習ってインダクタ(コイル)を定義すると

  • インダクタ:電流を蓄えることのできる素子です。直流電圧に対しては抵抗を持ちませんが、交流電圧に対しては抵抗を示し、周波数が高いほど電流が流れにくくなります。単位はH(ヘンリー)です。

(3) 抵抗と電流でも書いたように、上に書いた定義はかなりデフォルメしてあり、技術的に厳密な定義とは異なっています。
ある程度電子回路に慣れてきたら、ウィキペディア等で別の定義を確認してみてください。
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(5) コンデンサと時定数

今回はコンデンサに関する話題です。
(3) 抵抗と電流 では 電圧、電流、抵抗について次のように書きました。

  • 電圧:電気の圧力、電流を流そうとする力で、よく水道の水圧にたとえられます。単位はV(ボルト)
  • 電流:電気の流れる量、水の流れをイメージするとわかりやすいかもしれません。単位はA(アンペア)
  • 抵抗:文字通り、電流の流れを妨げようと抵抗するものです。水道にたとえると、太いパイプは水が流れやすく細いパイプは水が流れにくい、ということです。単位はΩ(オーム)

この要領でコンデンサについて追記すると、

  • コンデンサ:電気(電荷)を蓄えることのできる素子です。直流電圧を加えても電流は流れませんが、交流電圧を加えた場合は、電流が流れます。この電気を蓄える能力の単位はF(ファラッド)です。

ということになります。
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